悲鳴の音響特性から喉の使い方を探る

 

こんにちは。

本日はとある論文を扱った記事を見ていきたいと思います。

 

参考元記事はこちら。

元のサイトには動画もありますので興味のある方はぜひ読んでみてください。

 

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1.要約

2.「粗い」音とは?

3.人の注意を引く声

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1.要約

 少し書いてありますが要約いたしますと、悲鳴を悲鳴と認識する音響特性として、音の「粗さ」つまり音の大きさ(ラウドネス)の変動率を示す音響特性が挙げられるのではないか、ということでございます。加えて、「叫び声が変則的で秩序のないものになるほど、無視するのが難しくなることがわかっている」と、2010年の実験結果にも言及されています。こちらのほうが分かり易いですね。

 

2.「粗い」音とは?

 記事ではこの悲鳴の「粗さ」と同じ音響特性をもつ音の例として、クルマのクラクションや、家庭内で鳴るアラーム、救急車のサイレンが挙げられています。歪(ひず)みのある音とでもいうのでしょうかね。オシロスコープ的に音の形を見てみるとこのような違いがあります。(左:なめらか、右:粗い)

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お分かりいただけましたでしょうか。実際の音をぜひ参考元記事でお確かめください。

 

3.人の注意を引く声

 上記のなめらかな音は音叉などの極めて純粋な音とされる正弦波ですね。一方右の「粗い」音は、音色(線の形)や音高(線の密度)はそれほど変わらないものの音の大きさ(線の振れ幅)が大小を激しく繰り返しているので歪みが生まれて聴こえるようです。参考元記事によればこの粗さ=歪み=音の大小の激しさが大きければ大きいほど脳への影響も大きいとの事ですので、これを喉周りの筋肉を用いて再現すれば人の注意を引き付ける(惹きつける?)声を出せるかもしれません。ただし、今回の実験結果はあくまで悲鳴に関してのもの。研究チームは現在嬉しい驚きや性的な絶叫など3種類のポジティヴな感情価と3種類のネガティヴな感情価を比較しているそうです。今後の結果に期待し、参考にしながら声を出してみるのも面白いかもしれませんね。個人的に出せるとしたらこんな音かなと思ったのはこちら(1:08頃~)

彼女はもういろんな意味で惹きつけられます。まだまだおもしろい喉の使い方がたくさんあるなあと感心せずにはいられませんね。こうした物を科学的な面か否かを問わず積み重ねていくことで、相手の感情をも支配できるような「心動かす」「惹きつける」歌唱ないし発声が出来るのでしょうね。

 

参考記事

ロビー・ゴンザレス『悲鳴にゾッとするのは「甲高いから」ではなかった──米研究結果で判明した「絶叫のメカニズム」』ひらいまゆみ,ガリレオ訳,2017,WIRED(US)