機能性発声障害によりflumpool ボーカルの山村隆太さん活動休止について

こんにちは。

本日は声に関する病気に関しまして、書かせていただきます。

 

参考記事

 タイトルの通り、機能性発声障害によりflumpool ボーカルの山村隆太さんが、それに伴いflumpoolが活動休止となりました。この機能性発声障害について、私の知っている範囲のことを書き込みたいと思います。

 

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1:機能性発声障害とは

2:「機能性」の意味と喉頭という器官について

3:考えられる原因は

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1.機能性発声障害とは

分かり易いので参考元の記事から引用いたしますと、

「日本耳鼻咽喉科学会会報」第119巻2号(2016年2月20日発行)の牧山清・日本大学医学部教授「機能性発声障害の診断と治療」によると、普通にしゃべっているつもりでもがらがら声やだみ声などが出たり、息漏れのような弱々しい声しか出なくなる「嗄声(させい)」という症状が現れたりするとしている。また、声が出なくなることもあるという。

 「機能性発声障害」には、(1)発声時の筋肉の使い方に問題がある「筋緊張性発声障害」、(2)変声期が過ぎても変声期前の高さの声を出そうとしてしまう「変声障害」、(3)「心因性発声障害」の3種類がある。

 (2)の「変声障害」は、思春期の男性に発症するもので、声の高さが変化したり、時折裏返ったりするのが特徴。(3)の「心因性発声障害」は心理的な要因から突然声が出なくなるというもの。心理的要因が発症の原因になっていることを患者が自覚していないため、精神科医の協力も必要になるとしている。

となっています。要は様々(肉体的、体の成長過程で、心理的)な要因により、正常に発声が出来なくなる、ということになります。

 

2:「機能性」の意味と喉頭という器官について

 第一章の最後で病気について要は~と簡単にまとめました。というのも、一色信彦『声の不思議 診察室からのアプローチ』(2006,中山書店)によれば、定義はそれほど厳密ではないものの、「機能的」というのは’’目に見えるような所見は得られず、症状は一時的で、訓練、そのほかで治り、あまり大きな外科的治療などは行わない’’ものであると同時に’’専門領域によっては、心因性とか特発性(原因不明で起こる)と同じ意味に使っていることもあります’’とのことです。一色氏はこの言葉は、(見た目には)どこも悪いとこが見えず、現状で言える確かな病変はありません、という意味で、医者には厳しい言葉であるとしています。つまり本件につきましては、彼の声帯にはポリープなどの異常はなく、声を出す状態は整っていますが、彼の心理、習慣、くせなどによって筋肉や神経等の見えない部分の動きに支障が出て、声の出し方が整わず、便宜上発症ということなのではないでしょうか

 スティーヴン・ミズン『歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化』(熊谷淳子訳,2006,早川書房,ページを失念しました。分かり次第書き込みいたします)によると声帯および喉頭周辺の器官は我々の身体の器官や臓器の歴史からすると比較的新しい器官であるそうです。そのため分かっていないことも多く、言語が偶然の獲得物である可能性についても書かれています。

 以上の2点より私が皆様にお伝えしたいことは、「機能性」という言葉の曖昧さと、それを庇う喉の機能はまだまだ未解明な部分が多く、関する研究は発展途上であるという事実です。かつ、声帯は誤嚥性の観点以外からは生死に直結しません。よって研究も後回しになることは想像に難くありませんね。

 

3:考えられる原因は

 第二章を踏まえますと、彼の声の異変は、声を出すための筋肉や神経などがうまく作用しないことが原因となります。それが、単純に筋肉の動かし方や神経の伝達がうまくいかないといった、身体的なくせのようなものから来るのであれば単純にトレーニングで改善するようですが、第一線で活躍されている方なので心理的な面が大きいかもしれませんね。以下あまり確証のないゴシップ的な伝聞になりますが、近年俳優として活動されたり、ツイッターにてアイドルが大きなコンサート会場でライブをするのを批判し、炎上したりと、ストレスが大きそうな事が続いているようです。心理的なストレスによる面が大きいかもしれませんね。

 

最後に

 いずれにせよ、なによりの早期回復を願います。手術や治療を経て一定の期間で治るポリープや結節と違い、心理的、身体的機能の模索を要するため、終わりの見えない戦いになります。私も経験がありますのでそのつらさは同情します。声は自分自身を表現する最も身近な手段の一つであり、その不調はQOLに大きく影響します。ましてそれを職業としている人間であればなおのことです。私も得た知識を皆様に貢献できるよう、書き込んでいきますので喉に違和感を感じた際はぜひともご一読ください。

 

参考文献

一色信彦『声の不思議 診察室からのアプローチ』2006,中山書店

スティーヴン・ミズン『歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化』熊谷淳子訳,2006,早川書房